「第1回極水域を運航する船舶向け上級訓練」を開講しました。
2022年11月08日
JMETSでは改正STCW条約に対応した、「極水域を運航する船舶向け上級訓練」を開講いたしました。本講習開講前より、JMETSでは改正STCW条約に対応した、「極水域を運航する船舶向け基本訓練」(乙種特定海域運航責任者)を開講しておりますが、この度、「極水域を運航する船舶向け上級訓練」を開講いたしました。
【講習の目的】
近年、北極海航路の利用拡大を背景に、国際海事機関(IMO)において、極水域(北極海及び南極海)を航行する船舶の安全確保及び極水域の環境保護を目的として、極域コード(Polar Code)が新設されるとともに、SOLAS条約、MARPOL条約及びSTCW条約がそれぞれ改正されました。SOLAS条約及びMARPOL条約の上乗せ要件としての極域コード改正は、平成29年1月に既に施行し、STCW条約の改正は平成30年7月に施行となりました。これにより、船体構造、復原性、航海設備、凍結防止装置及び油汚染防止などハード面のみに限らず、船員技能訓練などのソフト面も含めて、極水域を航行する船舶には極水域特有の事情を勘案した上乗せ要件が適用されています。
この条約改正を受け、船員法施行規則が一部改正され、海氷の密接度が10分の1以上の極水域を運航する船舶に乗船する船長及び一等航海士は「甲種特定海域運航責任者」の証印保持が義務づけられました。
本講習は、上記船員法施行規則に基づく「登録特定海域運航責任者学科講習」となっています。
【講習内容】
本講習では、乙種特定海域運航責任者の資格を有する受講生を対象に、座学及び演習で構成されたプログラムとなっております。また、本講習においては、氷海シミュレータに代えて、図等を用いた演習を実施し、氷海域における知識の向上を図っております。
極水域における船舶の安全な運航への貢献と管理、法的要件遵守の監視及び確保、非常事態への対応、安全作業慣行の適用、汚染防止要件遵守の確保及び環境に対する危険の防止、極水域における航海計画及び航海の指揮、船舶・乗組員及び旅客の安全の維持並びに救命・消火及び他の安全システムの作動状態の維持を含む講習内容となっており、講習の最後に実施する修了試験に合格した受講者には、JMETSより修了証を発行いたします。
本講習の受講者からは、演習における図を使用した航海計画について、理解が促進した等の声が寄せられました。
【開催日】
令和4年10月18日(火)~21日(金)の4日間
【受講対象者】
乙種特定海域運航責任者の資格の認定をした旨の証印を受けている者又は5年以内に「極水域を運航する船舶向け基本訓練」を受講している者
【開催場所】
兵庫県芦屋市 JMETS海技大学校
【受講者数】
3名
【具体的な講習内容】
・特定海域における船舶設備の使用限界
・海氷における船舶の操縦性能
・航海計画の監督及び報告方法
・特定海域における安全運航
*講習に関する詳細は当機構HPをご覧ください。
今後の予定につきましては決定次第更新いたしますが、ご希望に合わせて検討もいたします。
海技教育機構 海技大学校 極水域を運航する船舶向け上級訓練HP
https://www.jmets.ac.jp/kaidai/curriculum/shipbasic_training_jyokyu.html
◇問合せ先
独立行政法人海技教育機構 海技大学校 企画運営調整課
TEL 0797-38-6235/6281 FAX 0797-32-5955