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第32期生 卒業証書授与式を挙行しました

2019年03月22日

平成31年3月14日(木)、専修科第32期生の卒業証書授与式を挙行いたしました。
以下に学校長式辞を掲載いたします。

学校長 式辞


本日、この良き日に多数のご来賓並びに保護者の皆様をお迎えし、専修科第32期生の卒業式を挙行できますことは、本校にとり大きな喜びであります。ご多用の中、ご臨席賜りました皆様方に教職員を代表して心より感謝申し上げます。

専修科第32期生の諸君、ご卒業おめでとうございます。
諸君が船員になるために入学してきた2年前を振り返ってみますと、成長は目覚ましいものであると確信しています。入学の日からの自分自身を思い出してみて下さい。
学校における基礎的な学習、各地から集まった学生達との交流、そして練習船での実習訓練など、様々な未経験の状況に当然のごとく置かれる中、将来への夢をもって重ねてきた日々を振り返ってみれば、自らの成長を実感できるのではないでしょうか。
つまり、諸君はひとり残らず確かな歩みを進めています。

ところで、諸君の多くが所属することになる内航海運業界の船員の年齢構成は、50歳以上が5割を超え、高齢化が著しい状況となっています。建造年数の長い船舶の増加とともに「2つの高齢化」と呼ばれ、内航海運業界の喫緊の課題として、特に若年船員の確保・育成に取り組んでいただいております。
内航海運は、ご承知のとおり、石油・セメント・鋼材など産業基礎物資輸送や、RORO船、コンテナ船による小口貨物輸送、自動車専用船など、海洋国家である日本にとって欠かすことのできない重要な役割を担っています。また、貨物輸送以外にも、お客様を運ぶ旅客船・フェリー、大型船の操船補助をするタグボートなどの作業船、調査・研究や国民の安全・安心を守る種類の船もあります。
入学式の際に、学校教職員は諸君が立派な船員になるための応援団であると述べましたが、船員はこうした重要な役割を担うからこそ、他にも様々な応援団から、直接・間接的にエールを送られていることも忘れないで下さい。
直接的には、内航船乗船体験・社船実習等のインターンシップ、海技者セミナーなどがあり、間接的ではありますが船員職業紹介や本校広報活動へのご支援もいただいています。また、学校後援会、同窓会の他、地域の皆様の暖かいまなざしも忘れてはなりません。そして、本日お越しいただいている保護者・関係者の皆様は、もちろん最大の理解者であり、応援者です。
今日、この日を迎えることができたのは諸君自身の努力があったからこそですが、様々な形でご支援を受けてきたという点については、再認識して下さい。

多くの応援団からの支援を受けて、諸君はいよいよプロの船員になっていく訳ですが、諸君の力量は、当然のことながら、まだまだ不足していますので、これからも勉強が必要です。
数十年前、私が、初めて航海士として坂出のドックで乗船した時、最初に与えられた仕事は、舵を取ることでも船の位置を求めることでもなく、乗組員のカップを覚えて間違いなくコーヒーを配ることでした。しかし、次の仕事は、ドライドックに揚がった巨大タンカーの船底をトーチ片手に点検したのです。
専門的な勉強と実習をしたからと言って、すぐに一人前になれるはずはありません。したがって、諸君への期待の内実は、現在ではなく将来へ向けた投資です。学習成果、実習経験及び資格を武器として携え、未来を切り拓く人材に成長することこそが期待されています。また、この成長は、諸君が職業的に生きる道を見つけるということでもあります。
今後、IoT技術の活用はますます拡大し、2025年の実用化を目標に自動運航船の実験が進められています。働き方改革により、船員生活のあり方にも大きな変化があるかもしれません。諸君は、船員としての伝統的な技術と新しい技術の両方に直面することになり、それらを調整し、現実的課題として克服しなければなりません。
そのためは、言い尽くされた言葉ですが、「これからが本当の勉強」「石の上にも3年」を、はなむけとして送ります。もう一度言います。「これからが本当の勉強」「石の上にも3年」。励ましになればと思います。

まずは、当面の目標として、明日から始まる四級海技士口述試験合格を目指して、是非、ここは全速前進=フル・アヘッドでチャレンジして下さい。

ところで、今年の4月末をもって平成が終わり、次の時代がやってきます。本日の卒業式と同じように、時代も人生も適当な区切りを付けてモノを考えることは、それらをより豊かなものにする可能性を開きます。
ここまで平成を生きてきた諸君が、一区切りをつけて、次の時代をどのように作り上げていくのか、楽しみです。

最後に、卒業生及びご臨席を賜りました皆様、そしてあらゆる関係者の皆様の健康と安全を心から祈念して、式辞といたします。

平成31年3月14日
国立清水海上技術短期大学校長  片岡 英明

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電話:054-334-0922(平日9:00~17:00) FAX:054-334-3400

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