JMETSがIMO技術協力プログラム(アジア地域のLNG燃料船訓練教官研修)を実施
2024年11月11日
環境汚染防止及び温暖化ガス排出抑制のため、現在、舶用燃料として液化天然ガス(LNG)を使用する船舶の建造ニーズが高まっておりLNG燃料船の普及が進んでおります。これに対応するため、従来船舶用に広く用いられてきた重油燃料と異なるLNGの特性を考慮した安全性向上のための要件が、改正SOLAS条約及び国際ガス燃料規則(IGFコード)として国際海事機関(IMO)で策定され2017年に発効しました。LNG燃料船のさらなる普及のための安全な運航を担うことができる能力を持つ船員を十分に確保・育成する必要があります。国際海運の持続可能な活動のためには、我が国のみならず発展途上国である船員供給国においてもIGFコードと付随して策定されたSTCW条約に定められた能力を持つ質の高い教育・訓練が求められています。
JMETSでは、令和6年10月30日から11月6日の日程で、国土交通省の全体調整の下、公益財団法人日本財団の助成事業として一般財団法人日本船舶技術研究協会からの委託によるとともに、日本財団が助成するIMOの技術協力プログラム(TCP)の一環として、LNG燃料船に乗り組むアジア地域の船員に対する教育訓練能力を向上させるため、日本商船隊が船員として多く雇用するインドネシア、フィリピン、ベトナムの船員教育機関の教員(各国3名、計9名)を日本に招聘し、学科・実習訓練を実施いたしました。
研修はSTCW条約に定める要件に基づき3日間の日程で海技大学校において実施され、IMOが依頼したスウェーデン及びオーストラリアの船員教育機関に所属しガス燃料船に乗り組む船員に対する講習を担当する講師2名により学科を行うとともに、今回海技大学校において新たに導入したLNG燃料補給に係るシミュレータ(LNGバンカリングシミュレータ)を用い、海技大学校の教員がLNG燃料補給の実務手続きに係る実習訓練を指導しました。また、研修生は研修場所を移動し、一般財団法人海上災害防止センターが保有する第二海堡の訓練場において、1日の日程でLNGの消火訓練や極低温液体の漏えい対応訓練などを実施しました。
JMETSでは今後も関係機関の要請に応え、優秀な船員育成のため国際的な新たな課題に取り組み、効果的な教育訓練に取り組んで参ります。
学科の様子
バンカリングシミュレータ訓練
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